Webセーフカラーとは?

コンピューターの色は現在発売されているOSなどでは8bit(256色)、16bit(65,536色)、24bit(16,777,216色)などのカラーモードを切り替えることが出来ますが、かなり古いマシンなどでは256色しか表示できないようなものが多く存在しました。

そこでNetscape社が8bit以上の環境でホームページを閲覧した時にWindowsとMacといった異なったOSでも表示が左右されない216色を制定しました。これをWebセーフカラーと呼んでいます。これらの色をそのまま使えば、どのような環境で見ても画面は同じように表示されるとされています。

RGB値を16進数で表す時に、00,33,66,99,CC,FFのみを用いて色を作ります。赤・緑・青がそれぞれ6段階ずつあるということで、6×6×6=216で216色という数字になっております。256色からWebセーフカラー216色を引いた残りの40色はOS自体がシステムとして使う色が割り当てられております。

Webセーフカラーは本当に安全?

しかしそのWebセーフカラーも16bit(65536色)の環境では色の表示が異なって見える場合があるということがわかっております。

ややこしい話になるので、ここでは具体的なことは述べませんが、16bit環境で見え方が変わる色と言うのもOSやブラウザによって違うというわけです。あるテストによれば216色のうち、様々な環境で適切に表示されるのは22色であったとされています。(これは2000年の記事に基づくものですが、筆者がテストした結果、現在のブラウザではある程度改善されています。)

つまりWebセーフカラーはセーフカラーではなかったということです。

Webセーフカラーは気にしない

ではWebセーフカラーは無視してもよいのかということですが、誤解を恐れずに書くならば、まったく気にせずともよいと思います。

ページの印象を左右するような大きなベタ塗りの部分にはWebセーフカラーを用いた方がよいというような考え方もありますが、そこまでこだわるべき色が偶然Webセーフカラーにあてはまればよいのですが、現実的には216色のうち、最も彩度が高い色(上記のカラーキューブの一番外側の色)については大きな面積で使用するとまぶしい印象が強く、使用に耐えませんので、実際に使える色はもっと限られてきます。

Webセーフカラーを使わなければ色がずれて見えるという現象も、色が少しずれるのだけで、青が赤に見えるわけではありません。色の表示は作り手だけでなく、閲覧者のモニターの設定やビデオカードなど様々な要因がありますので、Webセーフカラーを使っても同じように見えるということはそもそも不可能なことです。

大切なのはどの環境でも同じように見えることではなく、どのような人でも読みやすくわかりやすいということです。Webセーフカラーを使った配色イメージということで、まぶしく読みにくいサンプルに惑わされたり、縛られたりするよりも、自分の表現したい内容を適切に表現することが出来る色彩設計をした後で、8bitカラーや16bitカラーでもきちんと読むことが出来るかを確認した方が建設的です。