目的を配色に活かす

なぜ色を決めるのに目的が必要なのでしょうか? それは一番はじめの「ウェブサイトにおけるよい色とは?」でお伝えしたように、あなたが伝えたい情報を色彩の力で円滑に、そして情報の価値を高めるような配色をしなければ意味がありません。

そこであなたが実際に何を最も伝えたいのか、つまりウェブサイトの目的をはっきりさせる必要が出てきます。とりあえず美しいだけの配色でいいという方は、あちこちで紹介されている配色サンプルの中から、あなたの気に入ったものをそのまま真似てみましょう。そうすればそこそこの配色になるはずです。

しかしそれではあなたが本当に伝えたい内容が伝わっているとは限りませんし、もしかすると逆の印象を与えているかもしれません。そのようなことにならないためにも、あなたのウェブサイトの目的をはっきりとさせておく必要があります。

目的の整理

一口に伝えたい内容と言っても様々にあると思いますが、まずはそれらを列記するところからはじめてみましょう。企業のウェブサイトの場合は経営方針や製品案内などがそれにあたりますが、重要なことはその内容です。

まずはターゲットやコンセプトなどわかっていることを書き出しましょう。それも出来るだけ具体的にです。こういった類の作業はウェブサイトを作る前に全て出来ているはずのものです。もし浮かんでこない場合は配色以前の問題ですので、この部分があやふやだと思われた場合には、迷いなく後戻りすることをおすすめします。

しかしあまり多く出し過ぎても配色するのに困ってしまうことになります。その中でも重要なものを3つに絞ることにしましょう。1つや2つでは目的が不安定になります。意思を持った色彩のためには3つないし4つ程度に絞ってやると色彩設計しやすくなります。

そしてその絞り込んだ3つを掘り下げていき、配色のための根拠を整えていきます。

配色イメージも考えておく

配色のイメージも同時に考えておきましょう。ウェブサイトの目的やターゲットがはっきりとしていれば、それほど難しい作業ではないはずです。

ここでは言葉だけで結構です。「女性向きで柔らかい感じの配色」とか「重厚で堅実な感じの配色」と言ったように言葉を決めておきます。出来上がった物がこれと一致しなければ失敗となります。もちろんトーンと言葉のつながりに記載している表を使ってみましょう。

きちんと考えてイメージを配色イメージを決めてください。好みだけで決めてしまうのは避けましょう。後ほど決定する最初の1色(ベースカラー)がこのイメージと一致するかどうかは配色全般の正否に関わってくる問題ですので、常に意識できるように目に見える場所に書き出しておくことをおすすめします。

このサイトの場合

このサイトを製作するにあたって、ブレーンストーミングして整理した内容はこのようなものでした。その浮かび上がってきた目的や希望を一つずつ掘り下げていくことによって、考慮しなければならないことが見えてきます。

ありきたりではない
他のサイトと比較して、あまり使われていない配色を考える
インパクト(長く印象に残る)
少ない色数を繰り返すことで印象に残す配色をする
自分でウェブサイト作成が出来るようになる
色彩心理的に自立心を促すような色を用いる
文章を読んでもらうことが肝要
文章を邪魔しないよう、余計な色を使わない

このようにして今から自分が今からするカラーコーディネートに対して条件付けをしていきましょう。